パンデミックは産後うつにどんな影響を与えたんだろう?という研究のお話

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「パンデミックでストレスが増えた!」ってのは間違いないところですけど、新たな研究(R)では、「パンデミックによって産後うつのリスクも大きく高まってるかもしんないよ!」って話になっておりました。

妊婦さんや出産直後の患者さんはCovid-19感染や重症化リスクが高いことってことは以前から確認されてますけど、出産後のメンタル面でも彼女たちは大きな問題を抱えてるんじゃないの?って話ですね。行動制限等によって感情的、社会的なつながりが一気に減少したって事態を考えるとさもありなんって感じですよね。

ってことで、これは2020年7月に行われた横断研究で、エマージェンシーが発表された2020年1月31日以降に出産した女性670人を米国46州から集め、全員の産後うつのスコアをオンラインでチェックしています(EPDSを使用)。さらに、乳児へのミルクの与え方、NICUへの入院、出産からの期間等も測定し、産後うつのリスク要素まで分析したんだそう。

で、その結果はこんな感じになりました。

  • 参加者の38.2%が産後うつ陽性で、21.8%が大うつ病症状で陽性と判断された
  • 母乳で哺乳した母親に比べて、粉ミルクを与えていた母親は産後うつ陽性とスクリーニングされるオッズが92%高く、大うつ病症状と判断されるオッズも73%高かった
  • 乳児がNICUに入院した母親は産後うつ陽性とスクリーニングされるオッズが74%高かった。同様に、自身または乳児のCovid-19感染を強く心配している母親はオッズが71%高かった
  • 出産からの期間が1週間伸びるごとに産後うつのオッズが4%増えていた

というわけで、実験参加者の3人に1人以上が産後うつと評価されてまして、これはパンデミック以前の水準のほぼ3倍らしく、思っている以上に深刻な問題かもしれないっすね。

研究チームは、この結果について、パンデミック期間の出産や育児に対する教育や精神的・社会的・経済的なサポートの不十分さが影響していると推定してまして、周産期の多様なニーズにこたえられるようなインフラの整備を検討する必要性を強調しておりました。

まぁこれは代表的なサンプルとは言えないし、他の地域や時期でも同様のことがいえるかはかなり疑われるとこですけども、近年では出産前後で自殺や自傷願望が増えがちってことは幅広く確認されてますし、周囲のサポートを強化しておいて損はないんじゃないかと。

Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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