パンデミックでスマホの問題利用激増&その影響

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Covid-19で多くの学校がオンライン方式を採用したのはご存じの通り。そしてパンデミック期間にはうつや不安、睡眠障害といった様々な問題を訴える学生が増えていたってのも広く確認されているところ。となれば両者に何らかの関係の存在を疑うのは自然な話で、北京大学などの研究(R)では「パンデミック期間のスマホ依存が心身にダメージを及ぼしていたんじゃないか?」ってのを調べてくれておりました。

ここでは、2020年2月から5月にかけて北京の医学系大学院生1,016人を対象にオンライン調査が行われてまして、全員には以下の質問に回答してもらったんだそう。

  • スマホ依存レベル(「スマホを使っていないときでもスマホのことが頭にある」とか。SAS-SVを使用)
  • 睡眠の質(AIS)
  • 主観的な疲労感

でもって、各項目の相関と媒介効果を分析したところ、結果はこんな感じになりました。

  • 全体の49.70%がスマホ依存、70.57%が睡眠障害、40.06%が日中の疲労感(55.91%が身体的な疲労、43.60%が精神的な疲労)を抱えていた
  • 性別や家庭の収入レベル、専攻やチューターとの関係性、運動習慣といった諸要素を調整した結果、スマホ依存と評価された人はそうでない人に比べて睡眠障害、肉体的な疲労、精神的な疲労を抱えている割合が高かった(それぞれOR=2.91, 3.18, 2.42)
  • スマホ依存と肉体的疲労の関係のうち54.03%は睡眠障害によって説明できた。同様に、スマホ依存と精神的疲労の関係においても睡眠障害が媒介因子として働いていた(45.45%)

ってことで、パンデミック期間にはスマホの問題使用が増えてて、それに伴って睡眠にトラブルが起きる結果、心身にダメージが及んでるっていうルートが強力なんじゃないのかなぁってとこですね。

そもそもなんで医学生のスマホ依存者が増えたのか?って点について研究チームは、

  • 社交、買い物、学習など外の世界とのつながりをすべてオンラインで完結しまうせいでスマホの過剰使用につながった
  • なれないバーチャル環境での過酷な勉強とチューターとのコミュニケーションの不足のせいでプレッシャーや不安が募ってスマホに逃げるようになった
  • 社会の状況や地元の家族・友人の体調が気にかかってオンラインの情報を漁っていた

といった推測をしておりました。オンラインに速攻接続できるデバイスで学習することで気が散りやすくなったからというシンプルな理由だけでなく、人間関係の不安とかいろんな要素が絡まってスマホの問題利用につながってるのではないか、というわけっすね。

もちろん、これは横断研究に過ぎないんで因果関係は不明なものの、新学期も始まるというところで、デジタルデバイスの利用法については改めて確認しておくのがいいかもしれないですね。また、睡眠に問題が出てたら特に心身の体調に気を配ると同時に、「スマホの使い方に問題がないか?」ってのをチェックしてみるといいのではないでしょうかー。

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Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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