よく運動してる人ほど重症化しにくい!はどこまで本当なのか?のメタ分析

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「Covid-19感染前の身体活動量が重症化・死亡リスクにどう関係するか?」ってところを調べたメタ分析(R)が出ておりました。

これはロレスターン大学などの研究で、ざっくり内容をまとめておくと、

  • 2020年と2021年に発表された12件の研究をまとめて、よく運動している人とそうでない人で入院、ICU入院、死亡率にどう違いがあるのかを調べている
  • トータルの対象者は活動群991,268人と非活動群265,341人
  • 研究デザインは6件がコホート研究、6件が横断研究で、すべての研究でNOSスコアは7以上

みたいになってます。さらに分析では運動の種類や活動レベルによる保護効果の違いも調べられていて、わりと参考になる内容なのではないかと。

ということで、結果は以下のようになりましたー。

  • 合計867,978人を対象にした9件の研究において、運動はCovid-19による死亡のリスクを有意に低下させる可能性が認められた(RR = 0.47, 95% CI 0.38–0.59)。運動の種類別では以下のような感じ
    • 持久性運動:RR = 0.41, 95% CI 0.23–0.74
    • レジスタンス運動:RR = 0.13, 95% CI 0.01–2.06
    • 両者の組み合わせ:RR = 0.23, 95% CI 0.06–0.97
  • 全体的によく運動している人は入院リスクが減少していたが(RR=0.58)、種類別ではレジスタンス運動にのみ有意な減少効果を得ていた(RR=0.27)
  • 運動はICU入院リスクを35%有意に低下させる可能性があるが、種類別では有酸素運動と筋トレを組み合わせた場合にのみ有意な効果が見られた(RR = 0.53, 95% CI 0.38–0.74)
  • サブグループ解析によると、ICU入院リスク低下の効果は活動レベルによって違いは見られなかった(MET・分=500を基準に比較)

ということで、全体的にパンデミック前によく運動していた人はCovid-19にかかっても入院が必要なほどの重症になったり命を落としたりっていうリスクが低くなるんだ、と。強度の低い運動でも中程度の運動と同じくらいの効果を得られるってのはうれしいですね。

このような効果を得られる生物学的な理由は謎ですけど、ざっくり言えば以下のようなメカニズムが想定されてます。

  • 運動でマクロファージやキラーT細胞、好中球の産生が増加する
  • また、T細胞や抗体反応を含む獲得免疫がよく働くようになる
  • 運動で代謝が調節されることで免疫系の働きを向上させる
  • 筋トレ系のトレーニングで筋骨格系が鍛えられることで抗炎症性サイトカインの産生など免疫系とナイスな相互作用を引き起こす

まあここら辺はまだまだ謎が多いですし、これらを引き起こすために必要な運動の種類や強度等も分かりません。

が、コロナがはやりはじめてから30日で30%近く身体活動量が減ったぞ!とか肥満や高血圧がCovid-19の重症化リスク因子だぞ!なんて報告もありますんで、とりあえず自分の好きな形で習慣的に体を動かすようにしておくよう意識しておくのがいいのでは?とか思いますかねぇ。

3.7
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Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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