マスクをつけながら運動したらパフォーマンスにどう影響が出るのか?という実験

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「マスクを着けたまま運動したらパフォーマンスにどんな影響が出るんだろう?」ってあたりを調べた研究(R)が出ておりました。公共の場や職場など、今後も日本の様々な場所でマスクの着用が続くでしょうが、それは運動時も例外に非ずなわけで、これは気になるデータですね。

この研究は冠動脈疾患または高血圧にかかっている40名の被験者(CVD群)と健康な10人を対象にしたもの。実験では、参加者を無作為に以下のいずれかの条件に割り付けております(CVD群は3つ中2つ、健康な人には3つの条件全てをランダム順でこなしてもらう)

  1. サージカルマスクを着用
  2. FFP2マスクを着用
  3. マスクを着用しない

そのうえで徐々に負荷が上がっていく自転車エルゴメーターの試験にトライしてもらい、運動中や運動後の血圧、心拍数、最大パフォーマンス、血中ガスなんかを測定したところ、結果はこんな感じになりました。

  • CVD群でも健康な人でもサージカルマスク、FFP2マスクを着用した場合にはマスクを着けなかった場合に比べて最大パフォーマンスのレベルが有意に低下していた(4.7~8.9%くらい)
  • しかしマスクの着用は最大心拍数や収縮期血圧などの血行動態パラメータには影響していなかった
  • FFP2マスクに限り、着用した場合には二酸化炭素分圧や炭酸水素量の増加、乳酸や塩素過剰の減少が確認されたが臨床的に意味のあるレベルには達していなかった
  • 運動中の不快感や息苦しさはサージカルマスクを着用した場合に大きく上昇していた(マスクが顔にくっついたり形が変わっちゃったりすることが原因と考えられる)

だったそうです。CADや高血圧の人でも健康な人でも、マスクを着用したまま運動すると最大の運動パフォーマンスが多少減っちゃうみたい。ただ、健康な人のうち、サージカルマスクを着用してテストに挑んだ人のうち50%は息が苦しい!って言ってリタイアしたのに対して、FFP2マスクをつけてた人では20%だったらしく、マスクの種類も重要っぽいですね(マスクを着けなかった場合にも20%)。

もちろんサンプル数が少ない研究ですしCVDのタイプや重症度なんかも調べられてないので現時点で一般化するのは尚早でしょう。また、筋トレとかほかの運動ではどんな影響が出るかといった問題も謎ですが、とりあえず結論としては、マスクをつけないで運動した方が最大のパフォーマンスを発揮できそうだけど、どうしてもマスクを着用しながら運動したい時にはマスクの種類を選んでおいた方が呼吸が楽になるかもよーってことで。

Effects of Medical Face Masks on Physical Performance in Patients With Coronary Artery Disease or Hypertension

4.3
Rated 4.3 out of 5
Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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