糖尿病はCovid-19重症化リスクを高める!はどこまで本当なの?のアンブレラレビュー&メタ分析

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Covid-19重症化・死亡のリスク因子として代謝の状態、特に糖尿病があげられることが多いですが、新しいアンブレラメタ分析(R)では、この関係が世界中で一様に当てはまるのか?ってところを調べてくれておりました。過去にも糖尿病とCovid-19の転帰を調べたメタ分析や系統的レビューは複数ありましたが、今回はそれらをさらにまとめてくれたわけですね。

これは2021年8月までに発表された53件のメタ分析(158件の観察研究)をまとめたもので、対象者の合計は270,212人、うち57,801人が糖尿病にかかっていて、488人がⅠ型糖尿病だったとのこと。22件がEU圏、90件が極東地域(中国、韓国)、16件が中東、30件が米国の研究だったらしい。

また、99件の研究は実験の質が高く、18件は低いとされているものの、全体的なエビデンス質は高いと評価されておりましてなかなかよろしいのではないでしょうか。そのうえで、分析の結論をまとめるとこんな感じになります。

  • 全体的に、糖尿病患者はCOVID-19関連の死亡リスクが高く(OR 1.87 [95%CI 1.61, 2.17])、なかでも極東(OR=2.40)、中東(OR=1.71)でその傾向が顕著だった
  • ICUへの入院リスクも、すべての研究において糖尿病患者で増加しており(OR 1.59 [95%CI 1.15, 2.18])、この結果も極東の研究で顕著だった(OR 1.94 [95%CI 1.51, 2.49])
  • 人工換気の必要性も全体として糖尿病患者の方が高かった(OR=1.44)
  • 重症と評価されるリスクも糖尿病患者の方が高かった(OR=2.88)
  • 感度分析によれば、より高齢であること、HbA1C値が70mmol以上であること、インスリンを使用していることは死亡のリスクをさらに高めていた。逆に、メトホルミンの使用は死亡リスクの低下と関連していた
  • また、喫煙習慣、糖尿病の型、DPP4阻害薬の使用はいずれもCovid-19に感染した糖尿病患者の死亡リスクとは関連が見られなかった

ってことで、全体的にみれば確かに糖尿病はCovid-19の予後不良因子といえそうなんだけど、地域別でのばらつきも大きくて、特に極東、中東で関連性が強めに報告されていたみたい。

ちなみに、インスリン使用が死亡リスク上昇に関連して点に関しては、そもそもインスリンを使うのは2型糖尿病をコントロールするための最終手段であって、インスリン自体が生理機能の低下や死亡につながるわけではないだろうと考えられておりますので、そこらへんはご注意ください。

まあ糖尿病患者の半数近くが診断を受けていないという統計もあるし、ほとんどの研究が2020年のものなんで、数字は多少前後するんでしょうが、やはりCovid-19から身を守るためにも糖尿病には気を付けておきたいですねぇ。

Impact of diabetes on COVID-19 mortality and hospital outcomes from a global perspective: An umbrella systematic review and meta-analysis

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Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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