地中海食でCovid-19の感染・重症化リスクを下げられるか?問題

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一般的な西欧食に比べて地中海食が体にいいのは間違いないところ。地中海食は主に抗炎症作用、腸内細菌叢や免疫系の調整作用によって私たちの体の健康を守ってくれるわけですね。

そんなところで最近の研究(R)では、「地中海式ダイエットってCovid-19感染・重症化予防に効くか?」ってところを調べてくれておりました。Covid-19患者が心血管疾患や2型糖尿病、高血圧、肥満を抱えていることが多いってのはよく確認されている事実ですし、上記の効果を考えても地中海食とCovid-19に何らかの関連があるってのは十分ありうる話でしょうな。

これは1999年から始まったスペインのSUNプロジェクトってコホートを使った研究で、9,699人(うち5,194人が非医療従事者)の回答を分析してます。食事の内容はMDSという指標を用いて「どれだけ地中海食に近い食事をしているか?」ってスコアを算出して、これがSARS-CoV-2検査の陽性、症状の発現、重症度とどう関連しているのか?といったところをチェックしたんだそう。MDSは、

  • オリーブオイル
  • 果物
  • 野菜
  • ナッツ類
  • 豆類
  • 肉類
  • 穀物
  • 乳製品

という9つの指標の合計で評価されてまして、各構成要素がCovid-19感染・重症化に及ぼす影響まで調べられておりました。

で、全員の年齢、性別、教育年数、職業、配偶者の有無、喫煙・身体活動状況、体重、身長、疾病の有無等を調整したところ、以下のようなことがわかりました。

  • 期間中にSARS-CoV-2陽性と診断されたのは373人(3.9%だった)
  • 全体的な地中海食のスコアが高いほど、感染リスクが低くなる傾向があり、地中海スコアが上位3分の1の集団は下位3分の1の集団に比べて感染のオッズが46~56%低かった
  • 特定の食品との関連では、ヨーグルトと全乳製品との間にのみ有意な関係性が見られた(いずれも摂取量が多いと感染リスクが高くなっていた)
  • 魚など他の食品については摂取量が多くなるほど感染・重症化のリスクが低くなる傾向はあったが、信頼区間が広く、有意な関係は認められなかった

って感じだったそう。地中海食スコアの高いグループではCovid-19重症例は1例しかなかったんで重症化については何とも言えないものの、少なくとも陽性診断、症候性感染の予防にはつながりそうって感じですな。

ちなみに、ヨーグルトで感染リスクが上昇していたぞ!って点に関しては、疑問符をつけておいた方がいいかもしれません。というのも、過去の研究では「ヨーグルトを含むプロバイオティクスで免疫機能が向上し、Covid-19感染リスクも低下したぞ!」なんて報告もあるんですよね。なので、とりあえず今のところはカルシウムがウイルスの感染性や複製に影響してるのかも?ってくらいに考えとくのが妥当でしょうかね。

また、野菜や果物、魚、ナッツ、オリーブオイル等で有意な結果が確認されなかったのは少し意外でしたが、研究チーム曰く、

地中海食は、Covid-19感染と症状の予防において、その構成要素のそれぞれよりも全体として重要であるように思われる。

とのことで、やはり地中海食は複数の食品が互いの効果を高めあうことによってその健康効果を実現しているんだなーと実感しましたねぇ。

Components of the Mediterranean Diet and Risk of COVID-19

3.8
Rated 3.8 out of 5
Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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