ワクチンはCovid-19から何人の命を救ったのだろう?というモデル研究

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ワクチンがCovid-19感染、重症化、死亡のリスクを下げてくれてるのは間違いないところですが、新しいカリフォルニア大学のデータ(R)では、「具体的に、ワクチンはどのくらいの人をCovid-19から救ったの?」ってところを調べてくれておりました。大規模な集団ベースでの公衆衛生上の影響を定量化したデータは限られてますからありがたいですね。

ここではカリフォルニア州公衆衛生局(CDPH)の公開データを使用して、2020年1月から2021年10月16日までの期間において、カリフォルニアで回避されたSARS-CoV-2陽性者数、入院患者数、死亡者数に関する2つの統計モデルを作成しております。それらを使って「もしワクチンがなかったら…」というシナリオをシミュレートし、予測された患者数と実際の患者数と比較することでワクチン接種によって公衆衛生にどれだけのメリットがあったのか?ってのを推定したんだそう。その結果はというと、

  • 2020年1月1日から2021年10月16日までの間にカリフォルニア州で報告されたCovid-19症例は4,588,146例だった。同様に、入院、死亡の報告数はそれぞれ240,718件、70,406件だった。また、期間中に12歳以上の27,164,680人(79.5%)が少なくとも1回Covid-19ワクチンを接種していた
  • シミュレーションの結果、Covid-19ワクチン接種により1,523,500件(72%)のCovid-19症例が回避されたと推定された。年代別では、12~17歳で57%、18~49歳で83%、50~64歳で66%、65歳以上で49%減少した
  • 同様に、Covid-19ワクチン接種により18歳以上の集団で72,930件の入院と19,430件の死亡が回避されたと推定された。
  • 感度分析によれば、以上の結果はデルタ株による感染ダイナミクスの変化を考慮しても大体同じ結果が得られた

ってことで、カリフォルニア(人口4千万人くらい)だけで150万の症例を回避できたというのはすごいっすね。しかもこの効果はワクチン接種による直接的効果しか考慮してないし、ワクチン接種開始から10か月間の影響しか見てないんで、この数字はあくまでも「下限」なのかもしれないですな。

もちろんこの結果をそのまま日本や世界全体で適応できるわけじゃないですが、もしワクチンが開発されてなかったら状況は想像以上に悲惨だったのかもしれないですねぇ。

COVID-19 Vaccination and Estimated Public Health Impact in California

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Tomohiro Okugawa

科学的知見を自分の体で試して、日常生活に活用していく人。知識の収集が趣味で一般向けにその共有をしたいと思って執筆中。京都大学環境衛生学等。

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